これが本当の最終決戦!!






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「”ターコイズ”!!」
発動するトマスとデデバリィの調和。
マタリーによる基礎上昇・・・。
ヌバリーによる装甲強化・・・。
そして!

”ホディリー”

それはかつて、イーフェメロのハッチシステム発動に使われた能力であった。

それは進化を促す力。

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「これが僕らの『手』だッ!!!!」
”勝負だ、アリエールッ!!!!”

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デデバリーィXXXは、キマイラモードからガーディアンモードへと変形進化した。
その頭部は、ホズピタスとガモゲドンを足したようなものから、かつてのデデバリィに近いものとなった。
両腕のデデバリィの爪が解き放たれ、脚部は二足歩行へ移行した。

「なに!?オレの時にはこんなコマンドなかったぞ!?」
「何か隠しているとは思ったがこれか!」
「さすがトマス!」
メンバーが口々に言う間、XXXはシルに鋭い睨みを利かせた。

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【何かと思えば 我を真似て 少し姿が変わっただけではないか】
アリエールは笑うでもなくつまらなそうに呟いた。

「真似したわけじゃない、こうなる事を予期していた。アリエール」
トマスは、キマイラモードの状態では最初の時のシルと背の高さが合わないため、シルが戻った場合に変形させようと考えていた。

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【ならば我を倒す方法も用意してあるのだろうな】

「無くとも、勝つッ!!!」

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二体が攻撃を放ったのは同時だった。
シルがXXXの爪を波動で受け止めると同時に、
XXXの爪はシルの拳を囲い念波を握りつぶさんとしていた。

【ほう】
シルはもう一方の腕で波動砲を生じる。
するとXXXはさらに爪で受け止めた。
二体は取っ組み合いになったが、XXXが押したことで波動がひねり、弾けた。
互いに退けられたが、XXXはすぐに接近をかけた。

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XXXの右爪がシルの左腕を捕らえる。
そしてすぐさま左の爪を構えた。
察知したシルも、もう一度波動を出そうとする。

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再び組み合ったが、XXXの爪は右腕の関節を狙っていた。
シルはそれに応えず、左の念波剣でXXXを貫こうとしていた。
XXXが腕を伸ばしそれを遠ざける。
シルが脚を上げた瞬間を、トマスは見逃さなかった。
蹴りが届くよりも早く命中する裏拳。
バランスの取れぬシルはよろめいた後に波動で復帰した。

【我を倒す力とはその程度のものか?】

「”勝つ”力はある!!」


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それから永い殴り合いが続いた。
どちらも守りには入らずひたすらに攻撃を続けた。
それはお互い「殴ってくるから」が理由であった。

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シルは消耗の気配を見せず、XXXは空元気で動いていた。
トマスらは諦めることなく、先の見えない殴り合いを続けた。
だがシルの煌く一閃のもとに、XXXは倒れた。

【実に充実した時間を過ごせた だがもういいだろう?】

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立ち上がったXXXに迫るのは、無数の波動刃だった。
それはまさしく雨と呼ぶに相応しい。

”ファントリー!”
デデバリィの一言と共に加速するXXX。

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XXXは連続で迫る波動の雨を殴り潰した。
波がどれだけ迫ろうともそれを殴り、弾き返す。
その状態のまま、足のタイヤをフル回転させてXXXは迫っていた。
シルが直々に攻撃をぶつけようとした瞬間、XXXはその首を捕らえていた。

「お前がアームヘッドでないというのなら!」
トマスはこの怪物が何らかの生物ならば、首は一つの弱点だろうと踏んでいた。

【我は神の子也 いや既に新たな神へと向かう者だ!!】

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シルも念波の剣をXXXの胸に突き立てる。
だがトマスに刺さるような事は無く、装甲の途中で途切れていた。

「何のためにだよ!!」

【理由ではない 運命なのだ!!】

「何のための運命だ!!!」

XXXは右手を放した瞬間に、左腕のラリアットを叩き込んだ。
そして念波剣が弾け飛んで、二体はよろめいた。
持ち直したところに、XXXは掴みかかる。
同時にシルも腕を伸ばして、再び組み合った。

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「一体なんだっていうんだよ!
 お前は、アリエール・エラテン!
 ゴネド族の血を引いて、リムー族への完全勝利が目的だったはずだ!
 それがどうして、世界の再生などと!!
 何が、お前にそれほどの力を与える!?
 どんな思いが、お前をそこまで突き動かしている!?」

トマスが問うと、アリエールの顔は一瞬、ふっと力を抜いたようになった。

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【リムーテルだよ】

「なんだと!?」


その時、トマスの隣にいたクッキーが、突然吠えだした。
それから、トマスにも眩暈が生じて、頭にはリムーテルの像が姿を現した。

その姿はトマスに似ていて、自分の先祖にあるテル・リムー本人だと分かった。
脱力して空間を漂うその人の体は、薄まったり途切れたりしていた。

気づくと、トマスとクッキーも、リムーの守護者たちの現れる意思空間に入っているように感じた。

”リムーが!?”
ホズピタスが驚く。

”しかし彼の魂はクッキーに……だがここに混在している?”
デデバリィは目の前の者に違和感を感じていた。

”リムー、どうして貴方がここに”
シュビツェが問う。


”みんな・・・・・・
 俺は、俺は・・・みんなを守れなかったんだ・・・・・・
 ごめん・・・すまない・・・どうしようもない・・・・・・
 俺のしたことが・・・・・・こんなことを招いた・・・・・・
 悪いのは・・・・・・全部俺なんだ・・・・・・”

テル・リムーは途切れた声でそう言った。

”何を言っているのだ?リムー!”
ホズピタスの声は届いていないようだった。

”俺は夢を見たんだ・・・・・・
 龍になって・・・空を飛ぶ夢をな・・・・・・
 未来は・・・なにも変わっちゃいなかった・・・・・・
 人は・・・・・・見境無く全て破壊する・・・・・・
 「俺たち」の作った歴史だ・・・・・・全て間違っていた・・・
 だから・・・やりなおしが必要なんだ・・・・・・
 とりかえしのつかないことを・・・やめさせるためには・・・”

テル・リムーは呟き続けた。

「アリエールが言っていたリムーの意思、本当にリムーのものだったのか」
トマスは朦朧としていた。

”それは違うぞ、リムー!
 お前のせいではない、人間も本能には抗えないのだ!”
ホズピタスが近づこうとするが、遠のいていく。

”その先の未来はある!トマスたちを見て、そう思った!”
デデバリィも近づけなかった。

”悲しいがリムー。それは、貴方だけが判断すべきことではないのだ”
シュビツェも反論した。


”守護者のみんな・・・・・・
 ・・・もう休んでくれていいんだ、傷つくことはない。
 楽にしていてくれよ・・・・・・そうして、また生まれ変わって・・・・・・”


すると、クッキーが唸りながら、テル・リムーをにらみつけた。


”哺乳類。君も傷ついてきたはずだ。もうこれ以上、怒るなよ”
リムーの言葉を聞いて、クッキーが吠え返した。

”何だ?君たちは自由になった方がいいに決まってる、
 守護者の群れのように、同じ仲間とだけ平和に暮らした方がいい”
老犬は引き下がらなかった。

”俺に何か教えたいのか?学ばせる?何を?”


同じ魂を持つ者はしばらく睨み合っていた。


”・・・・・・お前はこの・・・・・・未来に生まれながら、
 多くの人たち、多くの生き物に支えられて生きてきたと、言いたいのか?
 それから、恩情を感じている?リムーの守護者たちの気持ちが?解る?
 だけど、君は、それで、いいのか?それでいいんだね。
 君は、俺を、間違っていなかったと言うのかい?”

クッキーは、もどかしいという風に、リムーに噛みついた。

”・・・そうか!
 お前は、俺なんだ!!
 俺自身が、未来を間違っていなかったと、認めている!!
 それ以上に、確かなことを解る術はない!
 さらなる改善は必要だけど・・・
 積み上げたもののやりなおしは・・・間違っていた!
 ・・・もう充分だよ。
 ・・・・・・へへっ、まさか、自分に救われるなんてなぁ・・・・・・”


テル・リムーの「残留思念」は薄まって、やがて完全に消えた。


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【!!??】
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その時、シルを包んでいた光が弾けて、二体は吹き飛ばされた。

そして夜が明けた。
決戦はついに七日目にさしかかり、XXXのクルーは体力の限界にあった。

「皆さん、大丈夫ですか?」
トマスの問いにそれぞれ答える。

「オレんとこは蒸し風呂みたいだぜ、何とかならないかぁ?」
左肩のブレジンが言った。
「空調がやられた?隙を見て換気してください!」

「いよいよ機体の軋みがまずいことになってる、
 無理な姿勢はとらせないようにしてくれ」
次に左脚のボールドが報告する。
自壊してしまうとそれだけでクルーの全滅もありえる。

「皆、あと少しの辛抱だ。奴の様子を見てくれ」
そう言ったのはマクタスだった。


全身から光を放たなくなったシルは、しばらくよろけていた。
それから持ち直して、急いで腕をXXXに向け構える。
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しかし波動は拡散し消えていった。
【波が・・・生まれない?】

【何故だ?忌まわしきテル・リムーの怨念が消えただけで!】

トマスは、シルの異常な耐久がようやく崩れ始めたように感じた。
XXXの崩壊までも時間が無い。
ここで全ての決着をつけるのだ。

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XXXとシルは再び睨みあった。

「終わりにしよう、アリエール!」

【念動が使えぬと見て勝ったつもりになったか?
 いいだろう・・・望みどおり・・・この手で冥府に叩き込んでやる!!】

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「アリエールッ!!僕らは君を、殺しはしない!」
XXXの拳がシルの頭を砕かんとする。
そのまま怯んだシルを爪で掴んで押さえ込む。
引き倒そうとするが、白い蹴りがXXXを掠めて離れた。
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【出来るはずも無い】
直後、シルもその腕をXXXに叩き付ける。
そして二度の蹴りを繰り出すとXXXの巨体が倒れた。
XXXは地面を殴り、その勢いのまま爪でシルを裂く。
シルの脚の一閃が、XXXの後頭部に当たり、再び傾ける。
更に飛び上がったシルは、XXXの背中を踏みつけて、刃を食い込ませた。
XXXは翼でシルを弾くと、向き直って猛進した。

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「完全な勝利とはどういうことなのか!」
【貴様らが知るはずが無い】
すかさず放たれたシルの蹴りをXXXが掴み取る!
「いいや、知っている!今、ようやく分かった!!」
二体の巨人は同時に傷つけあっては徐々に損傷していく。
殴り合いに次ぐ蹴り合い、斬り合い、絞め合い、弾き合い・・・・・・。
その全てを繰り返して、ひたすらに闘い続ける。
まさに意地のぶつかりあいであった。

「それは!」
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シルの拳が、XXXの左眼を砕いた。
体液も噴き出て、残りの守護者達は痛みを堪えた。
「力でねじ伏せることでは得られない!」
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XXXの爪はシルの角を斬り飛ばした。
得体の知れない液を散らしながら退くシル。
「相手を黙らせることでもない!」

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「真の勝利は!」

もはや彼らは本能で闘いを続けていた。

「”和解”だ!!!!」

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「僕らは、リムーとゴネドは、分かりあえない限り、永遠に闘い続ける!」
トマスたちも、守護者も、この闘いに苦しんでいたし、
アリエールに至っては身の裂ける痛みを直接に体感していた。
「それを止められなければ、いつまでも勝利など出来ないはずだ!!」
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【久遠の戦に 歴史の輪廻に】
蹴りと爪の一閃が噛み合った。
どちらも意地で離さない。
【終止符を打つことが完全勝利か?】
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【獲物が語るな!!】
全力の引き合いは双方の深い傷となった。
「分かったんだ!勝っても負けても、何も変わりはしない!
 次の僕らが戦うことになる!」
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【変わらぬならば、貴様が死ね!!】
シルの怒りの一撃がXXXの胸部を破壊した。
トマスの顔の横で、鋭い風が通り過ぎた。
お返しにシルを殴り落とすXXX。
「お前が殺すなら、僕らは死ねない!」

【戦いを終わらせるのが完全勝利だと言ったな?】
【リムーの絶滅によって終わらせてやる!同じ事だろうが!】

「クッキーとテルを見て思った・・・・・・
 この宿命からは、死ぬだけでは逃げられない。
 お前が完全勝利を遂げるには、僕らを倒したら、
 また別の僕らを見つけなければならなくなる。
 いや、宿命によって出会ってしまうのかもしれない。
 お前は永遠に闘い続ける事になるんだぞ、それでいいのか!!」

【何故そう解る?そんな出鱈目で我と和解しようとしているのか?】

「いいや、今すぐ和解しようとは思っちゃいない!!」

【何?】

「時間をかける!」

【ならば今終わりにしてやる!!】

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シルは瞬間的に光を放ち、翼を爪のように構え、XXXに飛びかかった!

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「!!??」

シルの刃は、XXXの各部のコクピットを貫いていた。

【ボーリー・・・・・・キミの言うことが本当なら・・・・・・生まれ変わって出直してくるんだな】

XXXは微塵も動かない。

だがそれはおかしかった。
シルが寄りかかっているのに倒れないのである。

「・・・・・・!!」
尾部のケナーは他のコクピットのエラーを通知されて、全力で脚部レバーを前に倒していた。
(皆どうしたの・・・・・・でも・・・・・・脚の操縦を受け付けてる?)

シルはしばらくそうして刃を埋めていた。
そして気づいた。
これは果たして完全勝利なのか?
敵を殺すことは勝負において勝利に等しい、だが単なる勝利だ。
ボーリーが言っていたのは成る程ただの勝利とは違っていた。
だが・・・・・・不可能であり我の望むものとも違っている。
そうなればやはり・・・・・・求めていた完全勝利は、存在しない?

【和解か・・・・・・
 将来の殺戮に飽き足りたら、それも考えてみても良いのかもしれないな、ボーリー?】

アリエールは語りかけるように言った。

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そして顔面にトリモチスプレーを吹きかけられた。
それは確かにXXXの喉の奥から噴きだしていた。

【ボォォォォォリィィィィィ、貴様ァァァァァァ!!!!】


「アリエェェェェェルゥゥゥゥッッッッ!!!!」
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トマス渾身の鉄拳は神の子を砕いた!!
瞬間、アリエールは意識が遠のいていくのを感じた。


”ケナー!!”
「ホズピタス!!」
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この時を待っていた。
XXXの頭部はキマイラモード時のヘッドに変わり、
主操縦はケナーとホズピタスに切り替わった。

「”テンポドォォォ、モーテェェッッ!!”」

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死の鼓動を纏ったホズピタスの角がシルを貫く!

激しい斬撃音と共に、シルの背からは光が噴きだした。

【やはりなァァァ、貴様らは最初から・・・・・・ボクを殺す気だったんだァァァ!!】
【和解などと愚かな綺麗事をォォォ、そんな事がありえるかァァァ!!?】

角と共にシルの体も脈打ち、白の巨体は壊死し始めていた。

「実現される綺麗事に、何の文句があるかッ!!
 それを成し遂げるんだよ、僕らが!!!!」

トマスが角を突き刺す力を強めた。

【何を言っているんだァッ!?
 ボクを殺すのは!本望ではないのだろう?
 ボクを生かすのならば!貴様らを殺す!!
 どうあれ・・・!・・・貴様らは・・・負けるのだ・・・・・・ッ!】


「・・・・・・殺しも逃がしもしないッ!!!!」


そしてデデバリーィXXXの眼が銀色に輝いた。

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「”ラストデイズ・センチュリー”!!」

それは、マクタスとシュビツェの調和であった。

ホーンから眩い輝きが起こり、シルの体中に広がった。

【!?】

そして振動する。
体から、何かが失われていくのを感じた。
何かは分からない。
それに伴って全身は軋み、ゆがんでいた。

アリエールは突然、自分の体から、神の子の肉体が剥がれ落ちる感覚がした。
そして脱ぎ捨てて、元の人間に戻りかけた。
しかしそこで次の別の感覚に襲われた。
縮んでいる!
体が圧縮される、痛みを伴わずに!?
肉体も精神も萎縮していく・・・・・・。
視界の隅に自らの輝きを見た・・・・・・。
意識は、どこまでも離れていき、そして消えた。

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調和の光が消えた時、そこにはシルの残骸と、
怪しく輝く球体が残されていた。
アリエール・エラテンは、かつてのリムー族のように、
シュビツェによって圧縮休眠状態となったのだ。

「・・・・・・アリエール・・・・・・お前も僕たちも、これで一つ学んだ・・・・・・
 永遠の戦いを定められているのは、きっと僕たちだけじゃない・・・・・・
 世界で起こる戦乱も、個人同士の戦う宿命が寄り集まったものなんだと思う。
 だから、最上の勝利は、それぞれが悪しき宿命そのものに打ち勝たないと得られない。
 ・・・そのために、分かり合うために、ゆっくりとでも進んでみようじゃないか。
 いつか、それを世界にさえ気づかせれば、新しい世界にだって生まれ変われるだろう?
・・・アリエール・・・・・・」

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「”グウウォォォォォォーーーーーァァァン!!!!”」

リムーの守護者は、勝利の雄叫びを青空に轟かせた。


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by kozenicle | 2012-09-05 01:52 | ストーリー:デデバリィ | Comments(0)

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