ケムさん・・・
くたばるくたばる くたばるさ~




b0142778_96720.jpg

「愛☆ドール・スーパートリリオンスピット!!」

”アイドル”は胸部にプラズマ大砲を持つにも関わらず、腕のスピアでの攻撃に固執した。

「アイドル聞こえてないのか?それは接近戦向きではない!」

そんな通信を続けているのは、ボゾガレーのパイロット”インペリアルおじさん”だ。

「もーいまいちのらないわねー、頑固おやじーは黙っててよ!!」

二人の言い合いは、トマスにも筒抜けで、心底うんざりした。


「そんなのは家でやっててください!!」

b0142778_96334.jpg

トマスが一撃を放つと、”アイドル”はまたスピアでそれを受け止めた。

「私の言ったとおりだ、このままでは負けるぞ?」
”インペリアルおじさん”が呆れたように言った。

「しつこいわね!もう!やめてよ!」
クライスムOOは、自棄になったようにスピアを振り回す。
その得物は長く、トマスにとって意外に厄介だった。

「ち・・・・・・仲間割れの内に!」

b0142778_964859.jpg

ヴィムは隙を突いて、指先からレーザーレザーを放つ。
だがその光は、暴れていた”アイドル”の首筋を掠めるに止まった。

「まだまだ!」
トマスは攻勢に回り、幾度も斬撃を放つ。

「急に本気なんて、怖い人!」
やっと冷静になった”アイドル”はクライスムOOを後退させながら、スピアでいなそうとする。
やがて全速力でバック走行し、ヴィムを引き離した。

b0142778_97826.jpg

「いいわ見せてあげる、本日の一番のファンサービスをね☆」
完全に停止したクライスムOOは腕を開いた。

「・・・ちょ、ちょっとまっててね」
そしてプラズマ砲を収束し始めるが、かなり時間がかかっている。

「僕が大人しく待つと思います?今のうちに・・・」
トマスのヴィムが身構えた時だった。

b0142778_972622.jpg

「やらせるか!!」

ヴィムに足かっくんを仕掛けたのは、”インペリアルおじさん”のボゾガレーだ。

そして彼のボゾガレーは、怯んだヴィムの背後で奇妙な動きを始めた。

b0142778_973912.jpg

展開、アームヘッド形態に変形。
そのままトマスの機体を捕縛した。

挟む力、その重量も相まって、ヴィムの動きは封じられる。

「くっ・・・まさか!」

「アイドル!俺はどうなろうとかまわん!俺ごとコイツを撃ち抜け!!!」


b0142778_98012.jpg

クライスムOOはチャージを黙々と行っている。

「この相手だけ覚悟が違う?なぜ?」
トマスは逃げようとブースターを点火するも、すぐには抜けられそうにない。

「相手の大将と共に死ねるのなら本望!アイドル、お前は幸せに・・・」
”インペリアルおじさん”がヴィムを強く締めつける。

「ちょっと、そんなコト言われたら余計撃ち辛いじゃない・・・・・・」
”アイドル”はそれでも充填を続ける。

「エネルギー供給をためらうな!俺を吹き飛ばせ!!」

「撃てないよ!あたしには撃てないよ!!」


「はいカットぉぉぉ!」

b0142778_982637.jpg

涙の”インペリアルおじさん”が力を抜いたことを良いことに、
トマスは同時攻撃をしかける。

レーザーレザーは大砲脇を貫き、発射を上手く封じた。

”インペリアルおじさん”があっけにとられている所に、
ヴィムの蹴りが顔面に炸裂。ボゾガレーはひっくり返った。

「私は・・・生きているのか・・・」

「こんなので死にたくないでしょ・・・」
トマスが言っている間に、ボゾガレーは起き上がり、”アイドル”に隣接する。


「これから、どうするの?”インペリアルおじさん”!?」
”アイドル”が訊いて、”インペリアルおじさん”はしばらくの間黙っていた。



「・・・私が、お前と、共にエネルギーを供給する!
 高速充填、放出後の反動の半減、この為にクライスムとボゾガレーは存在する!
 今、一つになり、支えあう事を、永久に誓おう!!」



「何何何?」



「 合 体 だ ! ! 」


ボゾガレーはクライスムの後ろに回り、猛進。
腕と足でクライスムをがっちり挟もうと迫る。

「変態!変態!変態!アイドルに向かって、合体なんてあんたどうかしてる!
 このえろおやじー!!やめてはなしてバカバカバカ!!
 あたしのコトずっとそんな目で見てたの?やーねーもー!
 真面目なフリしてあたしをずっと狙ってたなんて!!!!」

「ああそうだよデレ・ツンヤン!!
 私はずっとお前に惹かれていたと今言われて分かった!!
 私は、20代のクセにこんなにも老けていると散々弄くられ続けた!!
 そんな中お前に出会った!お前は40代にも関わらず少女のような初々しさを持っていた!
 にもかかわらず年齢の事でアイドルになれずに、君は世間に見放された!だが私は世間とは違う!!
 私は、私は、見た目がこれで、中身までもが老けてしまった。
 だからこそ、お前の、心の若さに惹かれた!私は!お前のことが!」

「言わないで”インペリアルおじさん”!!
 わかってた!あたしわかってたのよ!!
 あたしのあんたへの気持ち!!
 あたしは、あたしは、落ち着きが欲しかったのよ!!
 だから、いつもいつもあんたに文句言われてたけど、本当は嬉しかった!!」


b0142778_984736.jpg

グァシヤーン
「 合 体 完 了 」


「おい、やめろ」

トマスは怯んだが構えた。


b0142778_992068.jpg

「「心が通い合った二人!!その想いは、岩盤をも溶融させる!!」」

合体したクライスムとボゾガレー、そのエネルギー供給力は格段に上がり、プラズマ砲が強く輝き始めた。

「「生まれたマグマは二人の愛の象徴!!それは冷え固まることなく、紅く燃え続ける!!!」」

大砲に光が収束し、赤白い稲妻のようなものが走り始めている!

「「アムールリーベラブラブアモーレギガントサンシャインカノン!!発射!!!」」

b0142778_994294.jpg


凄まじい熱量のプラズマが一気に放出されて辺りを包んだ。

その光柱が直撃したのは、ヴィムの持った盾であった。

盾はやがて原型を留めぬ変形をし吹き飛んだが、それは確かにトマスにチャンスを与えていた。

膨大なエネルギーが出し切られた時、その直線上にトマスは居なかった。


「お生憎さま、僕もドロドロに混ざりたくはないんだよ!」

くっついて離れぬ二機に対し、トマスは迅速に近づいた。

b0142778_910034.jpg

ヴィムは腕の光刃とアームホーンで2機を貫く。

「インペリアルおじさん!あなたはどうしてインペリアルおじさんなの!?」

「ああ、それは私が帝国の・・・」

「んもうぅ!!」

クライスムOOとボゾガレーは仲良くアームキルされた。

「・・・あとはご自由に・・・」




ブレジンは”ドヤ顔の貴公子”の駆るアームヘッド・パイヨンと対峙していた。

「大口で牙をむいてる機体か、かませ犬だけに(ドヤァ)」

「あ?てめーの頭ん中はお花畑か?」

「てめーのお花ん中は頭畑か?(ドヤァ)」

「えっ」

その後、パイヨンはロングライフルを乱射、ガジリドールの顔を執拗に攻撃する。
対しブレジンは、腕で頭部を覆い、更にコルダックガトリングで牽制した。

ドリガブーンは軽量な機体に強力な推進器をつける事で機動性を実現していた。
このパイヨンは、その推進器をコルダックブラスターに置き換えることによって!弱体化していた。


「どうやぁ?」
”ドヤ顔の貴公子”は大剣を振り回しガジリドールに切りかかる。

「大したことないな?」
ガジリドールの牙が大剣と競り合い、弾く。

「どやぁ!!」
だがパイヨンはドリガブーンと同じく、蹴り技が強いままだった。
蹴られたガジリドールは、突き放されて大きく尻餅をついた。

起き上がったガジリドールに対し、パイヨンは追撃をやめなかった。
ブラスターとライフルで牽制、そのまま大剣で斬りかかる。

だが、斬られたガジリドールは、砂になって、消えた。


「どや?アイツの姿が消えた・・・一体何処へだ?」

”ドヤ顔の貴公子”が辺りを見渡す。
大きな砂山があった。


「どやどや・・・そんなにバレバレな所で張ってるって事は、
 ドーヤらよっぽど強い必殺技でもあるんだな?(ドヤァ)」

「そうだぜ!」

砂の中から、ガジリドールの牙だけが飛び出す。
付け根からはワイヤーが伸び、更に噛み付くようなギミックを見せた。

だが、パイヨンには届いていなかった。

「うっそお!」

そこへすかさずパイヨンが斬りかかる。

砂山が両断されて、そこには、ガジリドールの下半身だけがあった。

上半身は?



「能ある鷹は爪を隠す、能ないバカは鼻をたらすッ!!」

分離飛行していたガジリドールの上半身は、パイヨンの頭をかじりとーる。

首の無くなったパイヨンは、そのまま自壊した。

「かませに噛まれてこのザマ・・・お前ごときが一体ドーヤって・・・」

「石の上に三年座ってよーく考えるんだな」

ブレジンは”ドヤ顔の貴公子”を尻目に、敵の首領の取り巻きに向かって、前進した。



一方、トマスも敵の首領に向かおうとしていたが、
その前に立ちはだかったのは、もう一機のボゾガレーだ。

b0142778_9112440.jpg


「あ、すっかり忘れてた」

「修羅場の観察、ご苦労だったんだが?」
ボゾガレーのパイロット、”ボーズ”が言った。

「一応聞いときますけど、あなたもああいうクチですか?」
ヴィムが身構える。

「この語り口から察して欲しいんだが?
 あいつらとは格が違いすぎるんだが?」
”ボーズ”が自慢げに言って、ボゾガレーのキャタピラをフル回転させた。

b0142778_9114899.jpg


二機は激突し、その間に火花を散らす。
力と力の押し合い、ヴィムには推進力があったが、ボゾガレーには腕力も重量もあった。

ヴィムの関節が軋み始めた頃、ボゾガレーが急に力を引く。

「!?」

b0142778_912582.jpg

直後、ボゾガレーのハンマーアームが振り落とされ、ヴィムを殴り倒す。
すかさず、次の殴打が行われ、ヴィムの体勢は直りかけたが、更なる追撃に倒れた。

「どうやらお前とも格が違うようなんだが?」

ボゾガレーが腕を振り上げて、次の一撃を狙う。

「単純パワーではね!!」

b0142778_9122365.jpg

飛び上がったヴィムはボゾガレーに突進した。

「だから、力では格が違うんだが・・・?」

しかしボゾガレーはすぐにバランスを崩し、地面でその背を削って、押し飛ばされた。
こうなっては簡単に起き上がれないのは、自分のトトワルチョと同じだとトマスは分かっていた。

「僕の作ったアームヘッドで僕に挑むなんて、だいぶ油断してたようだね。
 ・・・・・・見た目、全然違うけど」

「これでも設計図通り作ったんだが?」

「どうみてもアレンジ入ってる・・・」

そんな事を言っている間にボゾガレーは起き上がった。

b0142778_9123953.jpg

だがトマスはそれを待ち伏せて、すでにレーザーレザーを立てていた。
よって起き上がった瞬間に決着はついていた。

そのままアームホーンもボゾガレーの頭部を貫き、その巨体は火花を上げる。

「・・・どう考えても卑怯だと思うんだが・・・」

「お互い様ってことで」

b0142778_9125617.jpg

ボゾガレーは再び引っくり返って動かなくなった。
中から、光輝く坊主頭が逃げ出してきたが、トマスは放って置いた。



一方のヴァム隊。

ケナー含む5機は、未だマーテットに足止めされていた。

ただし、相手はたったの1機。

そう、そいつこそが「パプリカーンの爆弾」なのだ。



手下を囮に、首領レイト・ジョーベンとその配下2人は、シーグザールの町並みをそれぞれ突き進んでいた。

「”リズの魔法使い”、お前のは反応したか?」
首領の手には、黒い宝石の破片が握られていた。

「だめじゃ首領、まったくもって気配を感じぬ」
”リズの魔法使い”がそう返した時だった。


「あった!薄っすらと反応しているぞ・・・やはり奴らの研究所だ!!」

”一番ダシ”カッツオ・ニールファットが叫ぶ。
彼の持つリムーテルの破片は、確かに光を放っていた。



そうしてEZEZタイプの3機は、新デデラボへの侵攻を開始した。
[PR]

by kozenicle | 2011-07-16 09:20 | ストーリー:デデバリィ | Comments(2)

Commented by nitro333lv2 at 2011-07-16 13:13
トマスさん、間がわかってらっしゃる(何
カットのタイミングとかちょうどいいっすよ、ぱぷりかーんのみなさんよし○とお勧めします(何

ボゾガレーのあたりから名前にもねたがはいっていることに気づきました(え
ひざカックンのあたりはネタ祭りなので突っ込むのやめます、コメントで30分とか無理ですすみません(何

コメントで記事書けるぜ小銭さんのストーリーは!(ぁ
次回楽しみに待っていますw
Commented by kozenicle at 2011-08-07 06:18
米戸も。
>>二トロさん
芸人集団パクリカーン(ry
ボゾガレーはトトワルチョと同様まりメラネタ。
マーテット以外はそういう縛りですw

じゃあ、書いて(死

<< 第48話:シーグザールの風 前編    第47話:悪寒震撼パプリカーン 前編 >>