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サブタイはケナーストのパクリ(何

あらすじ:
ようオレだ、ブレジンだぜ
トマスの野郎、いきなり人が変わりやがってメリーィXXとかいうヤツを作りやがった!
そんで連邦のAHホズピタスを倒すために町で好き勝手暴れやがった。
んだがメアリーの制止で二人とも闘うのを止めたんだ。一体どういうことだぜ?






ノースデデバルでの戦いから数日後…。


「おいトマス、てめーホントに何にも覚えてないのか?」
机に座っていたブレジンが問う。

「…だから、本当に覚えてないんですって」
トマスの人格は元に戻っていた。


「どっからどこまでを覚えてねーんだ?」

「アーテットに乗って、ホズピタスにアームキルされた時から…」
トマスはうつむいて言った。

「つうことは、あのカマキリを造った事も憶えてないってーのか?」
ブレジンは疑った。


「はい、何ですかアレ?」
トマスは本当に知らない様子だった。


「バカ言えぇー、んなわきゃねーだろ」
ブレジンは悪態をつくと、話が通じないと思い部屋を出た。



トマスは部屋に取り残された。
不思議だった。本当に憶えていない。
無意識の内にアームヘッドを造った?それは自分でもバカバカしい話だった。
自分に何が起こっていたのか?


しばらくして、ゼニ所長が入ってきた。

「あの…僕の処分はどうなるんでしょう?」
トマスは聞いた。

「新型との戦いで多少犠牲が出るのは仕方の無い事だ、君に罪は無い」
ゼニは平然と言った。

「町の損傷のほとんどは僕のせいなんでしょう?…いつまたおかしくなるか分からないですし…やっぱり僕は謹慎したほうが」
トマスは机に向かって言った。


「そうか、好きにすると良い。ただ用があればこっちから呼ぶぞ」
ゼニはそう言うと、部屋を出て行った。



また独りになったトマスは、机に顔を伏せ目を瞑った。

数日前のことを思い出していた。
”「目が覚めたら見知らぬコクピットにいて…
 メアリーさんの泣き声のようなものが聞こえていた…やっぱり思い出せない」”


このまま伏せていたら眠りにつけそうな気がした。

トマスの意識は遠くなっていった。




暗闇の奥に、緑色の光が見える。


それは少しずつ近づいて来て、ある程度の所で目だと認識できた。

そして緑色の目の持ち主の像がうっすらと浮かび上がる。


一言で言うと、得体の知れない獣?
およそ見た事は無い、しかし様々な生物の特徴を持っているようにも見えた。
哺乳類?爬虫類?見た目からは判断できなかった。

夢に出てくる生き物にしては妙にリアリティがある。


トマスが唖然としていると、そいつは口を開いた。


”やっと話せるな、トマス”


”「何この夢…?」”
トマスは頭を振った。夢は醒めない。


”俺の名はデデバリィだ”
目の前の怪物は言った。


”「デデバリィ?ここの研究所の事?」”
どうせ夢だし、トマスは会話を試みた。


”俺の名さ、ずっと昔生きていた頃の”
怪物・デデバリィは言った。

”「ふ~ん…」”


”まず俺は、君に謝らなければいけない すまなかったな”
怪物が頭を下げたので、トマスは笑ってしまった。


”「な、何が?」”


”俺は何としても、ホズピタスと決着を付けなきゃいけない”

”「ホズピタスって連邦のアームヘッド…」”


”そうではない、因縁のある太古の生物だ”

”「・・・・・・」”


”だから俺は君に死んでもらうのは困る 
 目の前の残酷な敵を見て震えていた君を救うには 感情操作するしかなかった”


”「…操作?その…君が?」”
トマスは疑った。これはただの夢なのか?


”そう、君の恐れを押しつぶし  敵への怒りだけで動くように俺が細工したんだ
 しかしそれもあの声で解かれた… もう俺は君の感情を操作したりはしない、出来ないんだ”

”「…僕は…しばらく怒りだけになってたのか…だから憶えてない…
 …君のせいで滅茶苦茶だよ、デデバリィ」”
トマスは少し怒って言った。


”ホズピタスは…その調和者にもっと悪質な感情操作を加えている 止めなければ人間が危ない”
デデバリィは言った。


”「ホズピタスのパイロットが、取り憑かれてたから味方を撃ったと?…僕は後悔してるよ、あの時勝てなかった事…」”
トマスは呟いた。


”俺は昔の因果でホズピタスを倒さなければならない トマスには協力して欲しいんだ”
デデバリィはなおも言った。


”「何で君のために、町を壊してまで闘わなきゃいけないの?」”
トマスは問う。


”すまない もうあのような操作はしない しかし君にはホズピタスを倒して欲しい”
デデバリィは困ったように言った。


”「容赦なく味方を撃つようなあのパイロットも許せないけど…それを操作してる亡霊なんてもっと悪い」”

”やってくれるか?”

”「U.E.Tとはこれからも戦う事になると思う、戦いは避けられないよ」”
トマスは言った。

”そうか、なるべく俺は君の邪魔にならないようにする”

”「ところでデデバリィ、あのカマキリは…」”

”前に体を手に入れた時の物に似せた”

”「体って…君はアームコア?」”
トマスは聞いた。


”人間にはそう呼ばれているのか”
デデバリィはそう言うと、暗闇の奥へと消えていった。




トマスはブレジンに叩かれ目を覚ました。

「何やってんだ?トマス」

「あ、ブレジン先輩…なんでこんな事になったか分かりましたよ」


トマスはさっきの事をブレジンに全部話した。


「はぁ゙ん? マンガやアニメじゃあるめぇし、ふざけんのもいい加減にしろよな」
ブレジンは呆れ、頭を掻いた。


「いや、本当ですって先輩」

「バーロー、だったらオレの夢の中に喋る恐竜でも出してみろってんだ」

ブレジンはそう吐き捨て部屋を出て行った。



「本当なんだけどなぁ…」

”トマス、いつかは理解してもらえるさ”
デデバリィは頭の中でささやいた。


トマスも後を追い部屋を出て行く。




一方、連邦兵ケナー・ポマレリは墜落した森からは回収されていた。

確かにメアリーの叫びを聞き、過去の記憶の一部を思い出した。
だからといって、その記憶を引き出したところでどうに思うわけでもない。
ケナーは次の戦いに備えた。

”デデバリィ…! 次こそは抹消してみせる”
ホズピタスはケナーの中で、一言呟いた。



つづく…

by kozenicle | 2009-01-12 15:21 | ストーリー:デデバリィ

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