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キター、題名がサブタイになるパターン(何







ケナーと白衣の女性は、ダガピッツアの元へと向かい歩いていた。

「一体何で!?どうして!?」
ケナーは嘆いた。


「話によれば、戦闘を終え帰ってきた後、ロッカー室で倒れていたそうです・・・
数ヶ所刺された痕があり、おそらく他殺だと・・・」
女性はそう答えると医務室のドアを開けた。


ケナーはベッドの上に倒れているダガピッツアを見てしまった。
「・・・・・」
もう親戚の体は動く様子は無かった。

「そんな・・・」
悲しむケナーの目に、ダガピッツアのポケットにある血まみれのメモ帳が留まった。


ケナーはそれをおそるおそるメモ帳を取り中を見た。


『最後に明らかになった 我々リムー族の血は ゴネド族なるものの末裔に狙われている
ケナーがこのメモを見て危機に気づくように』


メモはそこで終わっていた。
おそらくダガピッツアは最期の力を振り絞ってこれを書いたのだろう。


ケナーの悲しみは、ダガピッツアを刺した者に対する憎しみに変わった。

しかし一体誰が殺したのか。
ゴネド族の末裔?そんなものは犯人本人に聞かないと分からない。

とりあえずボールド、トップ、ピィフウルはそんな事はしない。
かといって他のメンバーもそんな事はしないだろう。

ケナーは犯人を見つけたかったが、味方を疑うのは辛い。


ゾムエイルなら何か知っているかもしれない。

ケナーは目を瞑った。


”「ゾムエイル!ダガピッツアさんは・・・」”
ケナーはそこまで念じかけてやめた。

ゾムエイルは別の人と話している・・・?


”何故貴様がここに来た?”
ゾムエイルの声だ。


”我は…デデバリィへの報復の為…ケナー・ポマレリの元に来る宿命に従ったのみ”
もう一方はホズピタスだった。

ケナーの頭の中に、カブトムシとサメの像が浮かんだ。


”「もしかして…ホズ?」”
ケナーが尋ねる。


”ケナーか? やはりここに辿り着いたか”
ホズピタスからの声はいままでより大きく聞こえた。
本当に近くにいるらしい。


”フン…ホズピタス デデバリィの事は忘れろ”
ゾムエイルはそうとだけ言うと、像を消した。


ケナーとホズピタス、二人だけの交信になった。


”ケナー お前は親族を殺した人間を、ゴネドの血統を憎んでいるな? いまこそ戦う時だ”


”「確かに憎んでる…でも、戦うって?」”


”我の元に来い”

カブトムシの像はいつの間にか頭の中から消えていた。



ダガピッツアの死体の隣に座り困惑していたケナーの元に、
トップが息を切らせて飛び込んできた。


「こんな時にすみませんすけど、敵襲っすよ!!」

ケナーはトップについていき、急いで格納庫へ。


あの白衣の研究員がいた。

「練習した通りに操作しなさい。トップはエマール1号機、ボールドは2号機、ピィフウルは3号機で先に出なさい!」

「了解しました」

3人はそれぞれのエマールのコクピットへ向かった。


ケナーは取り残された。

「ケナーはこっちへ」
研究員はそう言うと、地下への階段を降りた。
ケナーもついていく。


しかし親戚が死に、その乗っていた機体とボールドの相性が合っていたのは予想外だった。
ということはゾムエイルとボールドは会話できるのか?


そんな事を考えたが、ケナーは足を止めた。


「あなたとこの機体の相性が合うか、試験を兼ねて出撃してください」
研究員が言った。


目の前にはいつかの三角頭が立っていた。


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「メトロノーム…」
ケナーは無意識に呟いた。


「よくご存知ね、この機体はエマール4号機改修型・通称メトロノームよ」
研究員がそう言っている間に、ケナーはメトロノームのコクピットへ向かい歩き出した。


”ケナー お前はゴネドの血統の者を憎んでいる 我もデデバリィを憎んでいる 目的は同じだ”
ホズピタスはそう送ってきた。


”「でも私、人殺しなんて・・・」”
ケナーも送り返した。


”ならば 無理に戦わずとも 自らの身を守るだけでも良い 我に乗るのだ!”

ホズピタスに言われ、ケナーはメトロノームのコクピットに入り込んだ。


「相手は倒さない・・・自分と仲間を守るだけ・・・いいわね、私」
ケナーは自分にそう言い聞かせた。

”行くぞケナー!”

「ケナー・ポマレリ、メトロノーム出ます!」

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メトロノームの目が赤く光り、一歩踏み出した。

「・・・なんですって?覚醒するのにはもっと時間がかかるはずじゃ・・・」
研究員がそう驚いている間、メトロノームは荒地に向かい飛び出した。



外の荒地では数体のブートン、そしてそれに立ち向かう3体のエマールが戦っていた。


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トップの乗るエマール1号機は、操作慣れしてないために翻弄されていた。
相手のブートンのパイロットは腕利きのようだ。

「ちょこまか動くんじゃないっすよ!」



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ボールドの乗るエマール2号機は意外と優勢だった。
「故郷の敵だ、蹴散らしてやるぜ・・・」


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ピィフウルの乗るエマール3号機は強かった。
しかし敵のブートンはこちらよりも多い。


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ケナーのメトロノームは荒地に降り立った。

”来るぞケナー 気をつけろ”
ホズピタスに言われ、ケナーは前方を見た。

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ケナーはいままで見上げていたブートンを、今は見下ろす事が出来るので不思議な気分になった。

しかしそんな暇は無い。ブートンは素早く襲い掛かってきた。


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ブートンが掴みかかる直前、メトロノームの剣が進行を止めた。

しかしブートンは無理矢理押し切ろうとする。

”今だ ケナー!”

ホズピタスの合図と共に、ケナーは素早く操作した。


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メトロノームの剣は爪状に変形、ブートンを掴み地面に叩き付けた。
ブートンは大地にめり込んだ。

「パイロットは生きてるよね?」

”死んではいない”

ケナーはそれを聞き安心したが、それどころではなかった。


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別のブートンが背後からひっついてきたのである。
「アマチュアどもめ!どんな新型に乗ろうと無駄だ!」
ブートンのパイロットは叫んだ。


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ブートンはフックをメトロノームの頭部に引っ掛け飛び上がると、
着地と同時に大砲をメトロノームに浴びせた。

”ケナー 左腕を使え”

メトロノームは左腕の武器でそれを防いだ。


「何の武器なのコレ!?」

”使うのだ”

ケナーはやけくそで左腕の武器を使った。

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「何だとッ!」
ブートンのパイロットは嘆いた。

左手の武器はなんと、ブートンのボディを見る見る溶かして行ったのだ。


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ケナーは自分の武器に恐怖を感じていた。
敵を溶かす?パイロットまで溶かしてしまったら?

”恐れるなケナー”

「でも・・・」

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「野郎・・・ぶち殺してやる!」
半分を溶かされたブートンは、最後の一撃を仕掛けようと飛び掛ってくる!

「やっぱり出来ないよ・・・!」
それに対しケナーは何もしなかった。

”ケナー!ここでやらなければ お前は死ぬ!”
ホズピタスの訴え。

ホズピタスに逆らってまた後悔するのは嫌・・・だけど・・・

ケナーは攻撃ではなく後ろに引き下がろうとした。

ブートンは上空から襲い掛かろうとする!
「死ねぇぇぃ!」



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メトロノームのアームホーンはブートンに突き刺さった!

しばらくしてブートンは崩れ落ちた。


ケナーは唖然としていた。
私が殺した?

”起こって当然の事だ お前のせいではない”
ホズピタスは言った。

”「人が死ぬのが当然!?」”

”生物には必ず死が訪れる”

”「そういうコトじゃなくて・・・」”

ケナーとホズの会話にはいつもズレが生じる。


ボールドから通信が入った。

「やるなぁケナー、残りの敵さんは撤退した。俺たちも行こう」

ボールド達3人も無事のようだ。



生還しても決して良い気持ちにはならなかった。
親戚は死に、敵兵は死に、自分を殺そうとしている者が近くに紛れている。

ケナーは自分の死も恐れていたし、相手を殺せる力を手に入れたことも恐れていた。

by kozenicle | 2008-12-10 00:19 | デデスト外伝:メトロノーム

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