第20話: 電光石火
2009年 08月 10日
ポケモンとは関係ない(何
バンシール は でんこうせっか を くりだした!
トトワルチ は かたくなる を つかった!
トマス は サモラボール を なげた!
ダメだ! アムヘは ボールから でてしまった!
川が静かに流れ続ける。
時間もまた流れ続けた。
トマスを乗せたトトワルチョは4本の鉄棒に囲まれていた。
そしてその前には、棒を刺した本体・ルチネを乗せたバンシールが立ちはだかっている。
「エレクト・ドメイン…電気領域?」
トマスがそう言ったのと同時に、バンシールが動きを見せた。
「フン…棒を刺しただけでは始まらない。トリガーが無くてはな…!」
ルチネがそう言うと、バンシールの背中にある柱が動き出した。
「丸焼きになれぇ!ハハハハ!」
柱から複数の閃光が走り、地面に刺さった鉄棒目掛け飛んでいく。
トマスがそれを認識した時には、すでに閃光は棒に触れていた。
「うわあぁーーっ!」
流れた閃光は全ての鉄棒を何度も回り、全体に電気の流れる領域を作り出した。
おそらく刺さっている物は単なる鉄の棒ではなかったのだ。
とにかく分かるのは、この高圧電流によりトトワルチョが焼かれ続ける事である。
「トマス!応答して!トマス!?」
通信するも返答は無い。
しばらくの間電流は流され続けた。
「ハハハ、ルチネの3分クッキングは今日はここまで。今日の献立は小僧の丸焼きでしたってか」
ルチネは勝利を確信した。
「……なんとか、助かったみたいだ…」
トマスはそう経たずに目を覚ましたが、視界は真っ暗。
どうやらトトワルチョの機能は停止しているらしい。
「装甲がブ厚いから直シビレはしなかったけど…明かりもカメラも通信もやられちゃったか」
トマスはこの状況でどう戦うか悩んだ。
「せめて周りの様子だけでも…ん?カメラ?…そうだ!確認用無線カメラ!」
基地に映像を送るためにトトワルチョを撮るあのカメラは、接続棒が非常に長かったために電撃を浴びずに済んでいた。
トマスは生き残ったモニターの僅かな光だけで作業を始めた。
「これをモニターに繋いで…と、」
モニターに外の映像が映った。トトワルチョとその後ろの風景は拝めるが、肝心の前方は映っていない。
いまだに4つの鉄棒によって囲まれていた。
しばらくして、画面の端にバンシールが姿を現した。
「まだ敵はいる…でも棒で邪魔されて動けない、下手に動いたら生きてるのに気づかれるなぁ…
なんとか、気づかれずに攻撃する方法はないのか…」
トマスは考え込んだ。
その頃バンシールは、何故かトトワルチョの周りをうろついていた。
「フン!」
バンシールはトトワルチョの車体に蹴りを入れる。
「…うわ!」
機体は揺れるが、トマスは死んだフリをしなければならなかった。
「まだひっくり返らないのか、フンフンフン!」
バンシールが何度も蹴りを入れる。トマスは揺さぶられるが何とか考えようとする。
しばらくしてバンシールが蹴りを止めた。
「…この小僧、もし、もしだ、ティプミーの時にオレを倒した小僧だとしたら…敬意を払うべきか…いや!違う!もっと痛めつけて気晴らしすべきだな!もっともまだ生きているとは考えづらいが。ハハハ」
ルチネが言っている間、トマスは一つの賭けに出た。
スパイクマインの発射口を緩めたのだ。
バンシールが加速し、再度蹴りを入れる。
その瞬間、トトワルチョの銃口から全部のスパイクマインがこぼれた。
「やった…?」
だがスパイクマインは、地面に落ちて転がるも起爆しなかった。
「なんて事だ!」
トマスは頭を抱えた。
「フン、驚かせやがって。パーツが落ちただけか」
ルチネがそういった後、バンシールは至近距離で何度もビームを撃った。
貫通こそしなかったもの、次第に傷ついていくトトワルチョの機体。
「ハハ…さてそろそろトドメと行きたいが、エレクト・ドメインにするか、スパッと決めちまうか」
少しの間静寂が流れる。
「この一発で決めてやる!」
バンシールはトトワルチョの真正面に移動し、銃を構え、素早く着地した。
その瞬間!足元に転がっていたスパイクマインをバンシールが踏み、その全てが起爆した!
同時に前方の鉄棒も爆風で吹き飛ぶ!
「ナニィ!?」
ルチネが驚く瞬間、自由になったトトワルチョがバンシールに体当たりして突き飛ばす!
「かかったね!」
さらに前進するトトワルチョがライフルを連発する!
「フンッ!」
それに対し持ち前の機動力で去ろうとするバンシール。
しかしトトワルチョのライフルがバンシールのバックパックを射る!
「クソッ!これだから旧型はッ!」
壊れたバックパックから溢れる電流はバンシール自身を焼いた。
バンシールはバランスを崩し、煙を上げながらも大空へ向かい退却していった。
「あ、危なかった…!」
トマスは胸をなでおろした。
そして、アムヘ注文のあった基地に着く。
「機体がボロボロじゃないか。これじゃ参考に出来ないよ。それに、この映像は…」
技師が言う。カメラの映像はここで見るとかなりブレており、レンズも煤けていた。
さらにバンシールに蹴られている映像もバッチリ撮ってあった。
「あー…荷物の燃料は無事なのでそこを何とか」
トマスが言った。
「しかし…」
「設計図なら無事ですよ」
トマスはちょっと焦げ臭い設計図を技師に見せた。
「…うんじゃあ、上司と相談してみるんで。戻って報告を待っててください」
技師は建物へと去っていった。
「あー、何とか上手くいった・・・のかな?」
トマスはひとまず安心し、ボロボロのトトワルチョで帰路についた。
続く…
川が静かに流れ続ける。
時間もまた流れ続けた。
トマスを乗せたトトワルチョは4本の鉄棒に囲まれていた。
そしてその前には、棒を刺した本体・ルチネを乗せたバンシールが立ちはだかっている。
「エレクト・ドメイン…電気領域?」
トマスがそう言ったのと同時に、バンシールが動きを見せた。
「フン…棒を刺しただけでは始まらない。トリガーが無くてはな…!」
ルチネがそう言うと、バンシールの背中にある柱が動き出した。
「丸焼きになれぇ!ハハハハ!」
柱から複数の閃光が走り、地面に刺さった鉄棒目掛け飛んでいく。
トマスがそれを認識した時には、すでに閃光は棒に触れていた。
「うわあぁーーっ!」
流れた閃光は全ての鉄棒を何度も回り、全体に電気の流れる領域を作り出した。
おそらく刺さっている物は単なる鉄の棒ではなかったのだ。
とにかく分かるのは、この高圧電流によりトトワルチョが焼かれ続ける事である。
「トマス!応答して!トマス!?」
通信するも返答は無い。
しばらくの間電流は流され続けた。
「ハハハ、ルチネの3分クッキングは今日はここまで。今日の献立は小僧の丸焼きでしたってか」
ルチネは勝利を確信した。
「……なんとか、助かったみたいだ…」
トマスはそう経たずに目を覚ましたが、視界は真っ暗。
どうやらトトワルチョの機能は停止しているらしい。
「装甲がブ厚いから直シビレはしなかったけど…明かりもカメラも通信もやられちゃったか」
トマスはこの状況でどう戦うか悩んだ。
「せめて周りの様子だけでも…ん?カメラ?…そうだ!確認用無線カメラ!」
基地に映像を送るためにトトワルチョを撮るあのカメラは、接続棒が非常に長かったために電撃を浴びずに済んでいた。
トマスは生き残ったモニターの僅かな光だけで作業を始めた。
「これをモニターに繋いで…と、」
モニターに外の映像が映った。トトワルチョとその後ろの風景は拝めるが、肝心の前方は映っていない。
いまだに4つの鉄棒によって囲まれていた。
しばらくして、画面の端にバンシールが姿を現した。
「まだ敵はいる…でも棒で邪魔されて動けない、下手に動いたら生きてるのに気づかれるなぁ…
なんとか、気づかれずに攻撃する方法はないのか…」
トマスは考え込んだ。
その頃バンシールは、何故かトトワルチョの周りをうろついていた。
「フン!」
バンシールはトトワルチョの車体に蹴りを入れる。
「…うわ!」
機体は揺れるが、トマスは死んだフリをしなければならなかった。
「まだひっくり返らないのか、フンフンフン!」
バンシールが何度も蹴りを入れる。トマスは揺さぶられるが何とか考えようとする。
しばらくしてバンシールが蹴りを止めた。
「…この小僧、もし、もしだ、ティプミーの時にオレを倒した小僧だとしたら…敬意を払うべきか…いや!違う!もっと痛めつけて気晴らしすべきだな!もっともまだ生きているとは考えづらいが。ハハハ」
ルチネが言っている間、トマスは一つの賭けに出た。
スパイクマインの発射口を緩めたのだ。
バンシールが加速し、再度蹴りを入れる。
その瞬間、トトワルチョの銃口から全部のスパイクマインがこぼれた。
「やった…?」
だがスパイクマインは、地面に落ちて転がるも起爆しなかった。
「なんて事だ!」
トマスは頭を抱えた。
「フン、驚かせやがって。パーツが落ちただけか」
ルチネがそういった後、バンシールは至近距離で何度もビームを撃った。
貫通こそしなかったもの、次第に傷ついていくトトワルチョの機体。
「ハハ…さてそろそろトドメと行きたいが、エレクト・ドメインにするか、スパッと決めちまうか」
少しの間静寂が流れる。
「この一発で決めてやる!」
バンシールはトトワルチョの真正面に移動し、銃を構え、素早く着地した。
その瞬間!足元に転がっていたスパイクマインをバンシールが踏み、その全てが起爆した!
同時に前方の鉄棒も爆風で吹き飛ぶ!
「ナニィ!?」
ルチネが驚く瞬間、自由になったトトワルチョがバンシールに体当たりして突き飛ばす!
「かかったね!」
さらに前進するトトワルチョがライフルを連発する!
「フンッ!」
それに対し持ち前の機動力で去ろうとするバンシール。
しかしトトワルチョのライフルがバンシールのバックパックを射る!
「クソッ!これだから旧型はッ!」
壊れたバックパックから溢れる電流はバンシール自身を焼いた。
バンシールはバランスを崩し、煙を上げながらも大空へ向かい退却していった。
「あ、危なかった…!」
トマスは胸をなでおろした。
そして、アムヘ注文のあった基地に着く。
「機体がボロボロじゃないか。これじゃ参考に出来ないよ。それに、この映像は…」
技師が言う。カメラの映像はここで見るとかなりブレており、レンズも煤けていた。
さらにバンシールに蹴られている映像もバッチリ撮ってあった。
「あー…荷物の燃料は無事なのでそこを何とか」
トマスが言った。
「しかし…」
「設計図なら無事ですよ」
トマスはちょっと焦げ臭い設計図を技師に見せた。
「…うんじゃあ、上司と相談してみるんで。戻って報告を待っててください」
技師は建物へと去っていった。
「あー、何とか上手くいった・・・のかな?」
トマスはひとまず安心し、ボロボロのトトワルチョで帰路についた。
続く…
by kozenicle | 2009-08-10 01:44 | ストーリー:デデバリィ