第15話: 小さな決闘
2009年 01月 16日
カマキラスVSキングコング (大嘘
あらすじ:
トマスです。
突然研究所に無所属のアームヘッドが襲いに来ました。その名はゴリモン。
パイロットは民間の少年みたいで、実家の工場を壊されたって言って挑戦してきました。
悪いのは僕?
「…トマス、本当に行くの?」
メアリーが、メリーィに乗ろうとするトマスに聞いた。
「町を壊したのはどうせ僕なんだ、きっちり償わないと」
トマスは呟いた。
「償うって?あのガキに負けるって事か?」
ブレジンが言った。
「それで済むんなら…」
トマスはコクピットのハッチを閉じようとした。
「…あの少年は、君を倒し英雄になろうと思っているのだろう…トマス君、君は勝って自分の意思をきちんと伝えてみたらどうかな?」
見ていたマクタスはそう言うと、メリーィのハッチを叩いた。
「…そうですね、出来るだけのことはやってみます…」
トマスはハッチを閉めた。
「気をつけて、トマス」
メアリーが言った。
「何とかしますよ…トマス・ボーリー、出ます!」
トマスのメリーィは研究所から走り去った。
「…ちっ!またトマスにデリシャスなトコ盗られちまったぜ」
ブレジンは口を尖らせ言った。
白昼の湖岸、1体のアームヘッドが立っていた。
それは掴んでいた鉄柱を振り回した。
「まだ来ないか…」
ゴリモンのパイロットは湖に目を向けた。
しばらくして湖面に映る影、メリーィXX!
2体のアームヘッドが湖に映った。
「待ったかい?」
トマスが聞いた。
「危なかったな、俺は短気なモンでね」
ゴリモンのパイロットは言った。
「すぐ始めるのかい?」
「自己紹介からだ、俺はワノフ・ノレル。子供だからといって舐めるな…決意は固いぞ」
ゴリモンのパイロットは言った。
まだ子供だという自覚はあるようだ。
「僕はトマス、トマス・ボーリー。」
「俺は、理不尽に町で暴れ俺の工場を壊したお前を倒す。…勝った暁には、このゴリモンで兵器を壊しまくって戦争を終わらせるんだ」
ワノフは言った。
「そう簡単には行かないよ。小さな闘いならともかく、戦争を止めるのは一人なんかじゃ出来ない」
トマスは反論した。
「じゃあお前は俺に協力するか?兵器を作るお前が?町を壊したお前が?」
「そうは言ってない。確かに戦争は無い方がいいけど、無くすためにまた戦うのはどうかなって…」
「じゃあどう止める?戦争を、犠牲や破壊を、どう失くす?…答えられないだろ、もう俺のやり方に口出しするな!」
ワノフはそう言い、ゴリモンの腕を振り回させた。
「解らないかな、戦いは君が思うより厳しいんだぞ…」
自分もU.E.Tとの戦いで厳しさをつい最近知った身。
トマスはメリーィのタイヤを回転させた。
「なら俺も厳しく行く。お前に工場は直せないだろうから、代わりに今すぐお前を叩き潰す!」
ゴリモンは鉄柱を振り回す!
メリーィはそれをホーンで受けた。
すぐさま襲い来るゴリモンの無数の打撃、
メリーィの鎌がそれらを弾く!
「さすが軍に居るだけのことはあるな…」
ワノフが言った。
「そっちのも町工場で出来たやつとは思えない…褒め合ってる暇はないよね?」
メリーィのビームキャノンは既にチャージし始めていた。
「暇はある、お前を倒した後だけどな!」
ゴリモンは次の打撃に出ようとした。
メリーィは打撃を受け止めつつ、ビームを発射!
ゴリモンは打撃と同時に、敵のビームの照準を狂わせる!
「どうした?やってみろよ、俺ん家の工場にしたみたいに!」
ワノフは吐き捨てた。
「それなら出来ないよ」
トマスは呟いた。
「なぜだ?手加減してるのか?じゃあ本気を出すまでとことんやってやる!」
ゴリモンは鉄柱を駆使し、あらゆる方向から打撃を加える。
メリーィは一旦後退しようとした。
するとゴリモンは鉄柱をメリーィのタイヤに鋏み、動きを止めた。
「逃がしはしないぜ!」
「逃げられないのはお互い様!」
メリーィの腹部からビームが放たれる!が、ゴリモンはそれを巧みに避けた。
ゴリモンはメリーィの頭を殴り、一旦後ろに飛ぶ。
「ちっ!」
トマスは少し悔しがった。
「怒ったか?ちょっとは怒ったか?もっと怒れよ!俺みたいに!」
挑発的なワノフ。
「…怒ったからって勝てるわけじゃないし!」
トマスは鉄柱を斬り飛ばし、メリーィを加速させた。
メリーィはウィリーして前輪で攻撃!
不意を突かれたゴリモンは倒され、地面に引きずられる。
さらに鎌でゴリモンに攻撃!
「くそっ!」
「油断してた?戦いは厳しいんだよ」
トマスは教えるように言った。
「まだだぜ!」
ゴリモンはメリーィの前輪を掴み、横に投げようとした。
メリーィは倒れなかったが、ゴリモンには逃げられてしまった。
何を思ったか、ワノフのゴリモンは跳ねながら別方向に逃走。
「どういうつもりか…?」
それを追うトマスのメリーィ。
追い続けると、いつのまにか景色はノースデデバルになっていた。
「何で僕をこの町に誘導するんだ…?この町を守るんじゃなかったのか?」
トマスは疑問に思った。
姿をくらましていたゴリモンは家の影から現れた。
「さあ暴れてみろ!」
「ワノフ、僕には君の考えてる事が解らない。どうしたいんだ?」
「お前を町を壊すいわば怪獣、それを皆の前で倒せばすぐさま俺は英雄さ」
ワノフは言った。
「君は自分の工場が壊されたから怒ってるんじゃなかったのかい?」
「ああそうさ、んでも工場が犠牲になっても俺が英雄になれれば全部済むのさ!」
「言ってる事がよく分からない、そろそろアームキルを…!」
トマスはもう終わらせようと思った。
「それはこっちのセリフだ!」
ゴリモンの6本腕がうごめきだす。
「…君は大事な工場のために戦っているのかと思ってたよ、まさかそんな事も考えてるなんてね!」
メリーィはゴリモンに突進した!
メリーィが有利になったかと思いきや、ゴリモンの6本腕は非常に厄介だった。
フックでメリーィを固定し、回転ノコギリで切断しようとする!
そんな中メリーィもアームキルのチャンスを窺う!
万一ホーンで倒せなくても、この至近距離でビームを当てれば…。
トマスはぎりぎり勝てる気がした。
しかしあることに気づく、ゴリモンの主腕は?
ゴリモンの主腕は鉄筋を掴んでいた!
それをメリーィに叩きつけ、力ずくで壊そうとする。
メリーィのビームはまたも外れた。
「何っ!?」
トマスは驚くしかなかった。この少年只者じゃない!?
メリーィはゴリモンを退けようとしたが、それが逆効果だった。
「くらえぇ!!」
ワノフは叫び、数本の鉄骨を素早く投げた!
鉄骨が刺さり、割れるメリーィのカメラ!
「やってやったぜ!」
ワノフは喜ぼうとした。
「まだだ!」
メリーィは刺さった鉄骨を飛ばし、ゴリモンに急接近!
メリーィはすぐさま、ゴリモンの体を無数に斬った!
「…XX、なんちゃって」
「やりやがったな…だがこのゴリモンはその程度では倒せないぜ!ウォーイ!」
2体の殴り合いはまだ続いた。互いのダメージが酷くなってくる。
「僕が君の工場を壊した事は、悪いと思うし反省してる…でもただ戦って君が英雄になる手伝いなんて僕はしないよ」
「反省してるって?じゃあ最初から壊すな!」
「あれは仕方が無かったんだ…!」
「じゃあこうなったのも仕方無いだろ!」
戦っている途中、トマスのレーダーが奇妙な反応を示した。
「ちょっと待って」
「おいどうした?」
中断に驚き、ワノフが聞いてきた。
「何かが来てる…!」
トマスは呟き、メリーィを町に入り口方面に向かせた。
”ゾムエイルだ!”
デデバリィの声。
町の入り口には奇妙な赤い影がたたずんでいた。
「フハハ、ちっこいのが戦ってるぜフハハ」
赤いAH・ティプミーのパイロットは変な笑い方をして言った。
そいつは頭のビーム砲で地面をえぐる。
「アレはお前の仲間じゃないのか?似てるし」
ワノフがトマスに聞いた。
「…違う、この反応は連邦軍…U.E.Tか!」
トマスのメリーィはティプミーに向かい走り出した。
「待て!トマス!」
ワノフも追いかける。
ティプミーはリングカッターを回し始めた。
「フハハ、このルチネ・ウケコビッチ様に立ち向かうとは褒めてやろうハハ」
ティプミーのパイロット、ルチネは自分のスキンヘッドをぴしゃぴしゃ叩いた。
”来るぞ トマス!”
デデバリィの声とともに、ティプミーは動き出した。
放たれる無数のカッターとミサイル、それはメリーィとゴリモンに向けられた。
”ゾムエイルめ…”
「デデバリィ!ゾムエイルって?」
トマスが聞いた。
”後で話す 今は危険だ”
ミサイル群は2体に襲い掛かる!
「こいつはヤバイ!」
ゴリモンはミサイルをいくつか切り落としたが、やはり避けられなかった。
「これじゃダメだ…!」
メリーィもミサイルを斬りとばす、しかし全てとは行かない。
流れ弾は町並みに向かって…
トマスはメリーィをドリフトさせ、何とか体で流れ弾を受け止めた。
爆発するメリーィ。
「お前……」
ワノフは呟いた。
「当たり前だろう、自分の国の町を守るのは!…僕は町を壊したくなんかない」
トマスはそう言って見せたが、メリーィはもうボロボロでしょうがない。
「ちくしょっ!挑む相手を間違えてた!」
ワノフはそういい、ゴリモンでミサイル群を叩く。
しばらくしてミサイルは止まった。
「フハハ、もうこの辺でいいだろ、ハハ」
連邦のティプミーは去っていった。
”さらばだ デデバリィ”
その女性のような声は、トマスにも聞こえていた。
”ゾムエイル…”
デデバリィは呟いた。
メリーィとゴリモンは動けなくなっていた。
「生きてるかい?ワノフ」
トマスが聞いた。
「ああ・・・」 ワノフは体を起こした。
「さっきの連邦みたいに、世界にはいろんな敵がいる。戦争はそう簡単に止められないんだ」
トマスは呟いた。
「…俺が生まれ育った工場…もう無くなっちまったが…お前も壊したくて壊したんじゃないんだな…?」
ワノフが聞いた。
「僕も出来れば、被害を一切無くしたい。…でも戦ってれば何かが犠牲になっちゃう」
「俺はゴリモン作って戦ってヒーローになろうとか考えてた、ただのバカだ…」
「戦争を失くそうと思うのは良いとおもうよ…この技術を戦い以外に使ってみるのは?」
トマスが言った。
「もうゴリモンは使えないし…」
「それなら…」
次の日、トマスは徒歩で研究所に帰ってきた。
「皆!トマスが帰ってきたわよ!」
「おお、無事だったか…」
「どうだった?」
「説得できましたよ、でも連邦の新型が出てきて大変で…僕は寝ます」
トマスは椅子に座った。
「おいトマス!メリーィはどうしたぁ?」
ブレジンが聞いた。
「寄付しました…ホーン以外ね」
「はぁ゙ん!?」
続く・・・
あらすじ:
トマスです。
突然研究所に無所属のアームヘッドが襲いに来ました。その名はゴリモン。
パイロットは民間の少年みたいで、実家の工場を壊されたって言って挑戦してきました。
悪いのは僕?
「…トマス、本当に行くの?」
メアリーが、メリーィに乗ろうとするトマスに聞いた。
「町を壊したのはどうせ僕なんだ、きっちり償わないと」
トマスは呟いた。
「償うって?あのガキに負けるって事か?」
ブレジンが言った。
「それで済むんなら…」
トマスはコクピットのハッチを閉じようとした。
「…あの少年は、君を倒し英雄になろうと思っているのだろう…トマス君、君は勝って自分の意思をきちんと伝えてみたらどうかな?」
見ていたマクタスはそう言うと、メリーィのハッチを叩いた。
「…そうですね、出来るだけのことはやってみます…」
トマスはハッチを閉めた。
「気をつけて、トマス」
メアリーが言った。
「何とかしますよ…トマス・ボーリー、出ます!」
トマスのメリーィは研究所から走り去った。
「…ちっ!またトマスにデリシャスなトコ盗られちまったぜ」
ブレジンは口を尖らせ言った。
白昼の湖岸、1体のアームヘッドが立っていた。
それは掴んでいた鉄柱を振り回した。
「まだ来ないか…」
ゴリモンのパイロットは湖に目を向けた。
しばらくして湖面に映る影、メリーィXX!
2体のアームヘッドが湖に映った。
「待ったかい?」
トマスが聞いた。
「危なかったな、俺は短気なモンでね」
ゴリモンのパイロットは言った。
「すぐ始めるのかい?」
「自己紹介からだ、俺はワノフ・ノレル。子供だからといって舐めるな…決意は固いぞ」
ゴリモンのパイロットは言った。
まだ子供だという自覚はあるようだ。
「僕はトマス、トマス・ボーリー。」
「俺は、理不尽に町で暴れ俺の工場を壊したお前を倒す。…勝った暁には、このゴリモンで兵器を壊しまくって戦争を終わらせるんだ」
ワノフは言った。
「そう簡単には行かないよ。小さな闘いならともかく、戦争を止めるのは一人なんかじゃ出来ない」
トマスは反論した。
「じゃあお前は俺に協力するか?兵器を作るお前が?町を壊したお前が?」
「そうは言ってない。確かに戦争は無い方がいいけど、無くすためにまた戦うのはどうかなって…」
「じゃあどう止める?戦争を、犠牲や破壊を、どう失くす?…答えられないだろ、もう俺のやり方に口出しするな!」
ワノフはそう言い、ゴリモンの腕を振り回させた。
「解らないかな、戦いは君が思うより厳しいんだぞ…」
自分もU.E.Tとの戦いで厳しさをつい最近知った身。
トマスはメリーィのタイヤを回転させた。
「なら俺も厳しく行く。お前に工場は直せないだろうから、代わりに今すぐお前を叩き潰す!」
ゴリモンは鉄柱を振り回す!
メリーィはそれをホーンで受けた。
すぐさま襲い来るゴリモンの無数の打撃、
メリーィの鎌がそれらを弾く!
「さすが軍に居るだけのことはあるな…」
ワノフが言った。
「そっちのも町工場で出来たやつとは思えない…褒め合ってる暇はないよね?」
メリーィのビームキャノンは既にチャージし始めていた。
「暇はある、お前を倒した後だけどな!」
ゴリモンは次の打撃に出ようとした。
メリーィは打撃を受け止めつつ、ビームを発射!
ゴリモンは打撃と同時に、敵のビームの照準を狂わせる!
「どうした?やってみろよ、俺ん家の工場にしたみたいに!」
ワノフは吐き捨てた。
「それなら出来ないよ」
トマスは呟いた。
「なぜだ?手加減してるのか?じゃあ本気を出すまでとことんやってやる!」
ゴリモンは鉄柱を駆使し、あらゆる方向から打撃を加える。
メリーィは一旦後退しようとした。
するとゴリモンは鉄柱をメリーィのタイヤに鋏み、動きを止めた。
「逃がしはしないぜ!」
「逃げられないのはお互い様!」
メリーィの腹部からビームが放たれる!が、ゴリモンはそれを巧みに避けた。
ゴリモンはメリーィの頭を殴り、一旦後ろに飛ぶ。
「ちっ!」
トマスは少し悔しがった。
「怒ったか?ちょっとは怒ったか?もっと怒れよ!俺みたいに!」
挑発的なワノフ。
「…怒ったからって勝てるわけじゃないし!」
トマスは鉄柱を斬り飛ばし、メリーィを加速させた。
メリーィはウィリーして前輪で攻撃!
不意を突かれたゴリモンは倒され、地面に引きずられる。
さらに鎌でゴリモンに攻撃!
「くそっ!」
「油断してた?戦いは厳しいんだよ」
トマスは教えるように言った。
「まだだぜ!」
ゴリモンはメリーィの前輪を掴み、横に投げようとした。
メリーィは倒れなかったが、ゴリモンには逃げられてしまった。
何を思ったか、ワノフのゴリモンは跳ねながら別方向に逃走。
「どういうつもりか…?」
それを追うトマスのメリーィ。
追い続けると、いつのまにか景色はノースデデバルになっていた。
「何で僕をこの町に誘導するんだ…?この町を守るんじゃなかったのか?」
トマスは疑問に思った。
姿をくらましていたゴリモンは家の影から現れた。
「さあ暴れてみろ!」
「ワノフ、僕には君の考えてる事が解らない。どうしたいんだ?」
「お前を町を壊すいわば怪獣、それを皆の前で倒せばすぐさま俺は英雄さ」
ワノフは言った。
「君は自分の工場が壊されたから怒ってるんじゃなかったのかい?」
「ああそうさ、んでも工場が犠牲になっても俺が英雄になれれば全部済むのさ!」
「言ってる事がよく分からない、そろそろアームキルを…!」
トマスはもう終わらせようと思った。
「それはこっちのセリフだ!」
ゴリモンの6本腕がうごめきだす。
「…君は大事な工場のために戦っているのかと思ってたよ、まさかそんな事も考えてるなんてね!」
メリーィはゴリモンに突進した!
メリーィが有利になったかと思いきや、ゴリモンの6本腕は非常に厄介だった。
フックでメリーィを固定し、回転ノコギリで切断しようとする!
そんな中メリーィもアームキルのチャンスを窺う!
万一ホーンで倒せなくても、この至近距離でビームを当てれば…。
トマスはぎりぎり勝てる気がした。
しかしあることに気づく、ゴリモンの主腕は?
ゴリモンの主腕は鉄筋を掴んでいた!
それをメリーィに叩きつけ、力ずくで壊そうとする。
メリーィのビームはまたも外れた。
「何っ!?」
トマスは驚くしかなかった。この少年只者じゃない!?
メリーィはゴリモンを退けようとしたが、それが逆効果だった。
「くらえぇ!!」
ワノフは叫び、数本の鉄骨を素早く投げた!
鉄骨が刺さり、割れるメリーィのカメラ!
「やってやったぜ!」
ワノフは喜ぼうとした。
「まだだ!」
メリーィは刺さった鉄骨を飛ばし、ゴリモンに急接近!
メリーィはすぐさま、ゴリモンの体を無数に斬った!
「…XX、なんちゃって」
「やりやがったな…だがこのゴリモンはその程度では倒せないぜ!ウォーイ!」
2体の殴り合いはまだ続いた。互いのダメージが酷くなってくる。
「僕が君の工場を壊した事は、悪いと思うし反省してる…でもただ戦って君が英雄になる手伝いなんて僕はしないよ」
「反省してるって?じゃあ最初から壊すな!」
「あれは仕方が無かったんだ…!」
「じゃあこうなったのも仕方無いだろ!」
戦っている途中、トマスのレーダーが奇妙な反応を示した。
「ちょっと待って」
「おいどうした?」
中断に驚き、ワノフが聞いてきた。
「何かが来てる…!」
トマスは呟き、メリーィを町に入り口方面に向かせた。
”ゾムエイルだ!”
デデバリィの声。
町の入り口には奇妙な赤い影がたたずんでいた。
「フハハ、ちっこいのが戦ってるぜフハハ」
赤いAH・ティプミーのパイロットは変な笑い方をして言った。
そいつは頭のビーム砲で地面をえぐる。
「アレはお前の仲間じゃないのか?似てるし」
ワノフがトマスに聞いた。
「…違う、この反応は連邦軍…U.E.Tか!」
トマスのメリーィはティプミーに向かい走り出した。
「待て!トマス!」
ワノフも追いかける。
ティプミーはリングカッターを回し始めた。
「フハハ、このルチネ・ウケコビッチ様に立ち向かうとは褒めてやろうハハ」
ティプミーのパイロット、ルチネは自分のスキンヘッドをぴしゃぴしゃ叩いた。
”来るぞ トマス!”
デデバリィの声とともに、ティプミーは動き出した。
放たれる無数のカッターとミサイル、それはメリーィとゴリモンに向けられた。
”ゾムエイルめ…”
「デデバリィ!ゾムエイルって?」
トマスが聞いた。
”後で話す 今は危険だ”
ミサイル群は2体に襲い掛かる!
「こいつはヤバイ!」
ゴリモンはミサイルをいくつか切り落としたが、やはり避けられなかった。
「これじゃダメだ…!」
メリーィもミサイルを斬りとばす、しかし全てとは行かない。
流れ弾は町並みに向かって…
トマスはメリーィをドリフトさせ、何とか体で流れ弾を受け止めた。
爆発するメリーィ。
「お前……」
ワノフは呟いた。
「当たり前だろう、自分の国の町を守るのは!…僕は町を壊したくなんかない」
トマスはそう言って見せたが、メリーィはもうボロボロでしょうがない。
「ちくしょっ!挑む相手を間違えてた!」
ワノフはそういい、ゴリモンでミサイル群を叩く。
しばらくしてミサイルは止まった。
「フハハ、もうこの辺でいいだろ、ハハ」
連邦のティプミーは去っていった。
”さらばだ デデバリィ”
その女性のような声は、トマスにも聞こえていた。
”ゾムエイル…”
デデバリィは呟いた。
メリーィとゴリモンは動けなくなっていた。
「生きてるかい?ワノフ」
トマスが聞いた。
「ああ・・・」 ワノフは体を起こした。
「さっきの連邦みたいに、世界にはいろんな敵がいる。戦争はそう簡単に止められないんだ」
トマスは呟いた。
「…俺が生まれ育った工場…もう無くなっちまったが…お前も壊したくて壊したんじゃないんだな…?」
ワノフが聞いた。
「僕も出来れば、被害を一切無くしたい。…でも戦ってれば何かが犠牲になっちゃう」
「俺はゴリモン作って戦ってヒーローになろうとか考えてた、ただのバカだ…」
「戦争を失くそうと思うのは良いとおもうよ…この技術を戦い以外に使ってみるのは?」
トマスが言った。
「もうゴリモンは使えないし…」
「それなら…」
次の日、トマスは徒歩で研究所に帰ってきた。
「皆!トマスが帰ってきたわよ!」
「おお、無事だったか…」
「どうだった?」
「説得できましたよ、でも連邦の新型が出てきて大変で…僕は寝ます」
トマスは椅子に座った。
「おいトマス!メリーィはどうしたぁ?」
ブレジンが聞いた。
「寄付しました…ホーン以外ね」
「はぁ゙ん!?」
続く・・・
by kozenicle | 2009-01-16 02:28 | ストーリー:デデバリィ