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カマキラスVSキングコング (大嘘

あらすじ:
トマスです。
突然研究所に無所属のアームヘッドが襲いに来ました。その名はゴリモン。
パイロットは民間の少年みたいで、実家の工場を壊されたって言って挑戦してきました。
悪いのは僕?





「…トマス、本当に行くの?」
メアリーが、メリーィに乗ろうとするトマスに聞いた。


「町を壊したのはどうせ僕なんだ、きっちり償わないと」
トマスは呟いた。

「償うって?あのガキに負けるって事か?」
ブレジンが言った。

「それで済むんなら…」
トマスはコクピットのハッチを閉じようとした。


「…あの少年は、君を倒し英雄になろうと思っているのだろう…トマス君、君は勝って自分の意思をきちんと伝えてみたらどうかな?」
見ていたマクタスはそう言うと、メリーィのハッチを叩いた。

「…そうですね、出来るだけのことはやってみます…」
トマスはハッチを閉めた。


「気をつけて、トマス」
メアリーが言った。

「何とかしますよ…トマス・ボーリー、出ます!」

トマスのメリーィは研究所から走り去った。


「…ちっ!またトマスにデリシャスなトコ盗られちまったぜ」
ブレジンは口を尖らせ言った。





白昼の湖岸、1体のアームヘッドが立っていた。
それは掴んでいた鉄柱を振り回した。
「まだ来ないか…」
第15話: 小さな決闘_b0142778_22593682.jpg


ゴリモンのパイロットは湖に目を向けた。

しばらくして湖面に映る影、メリーィXX!

2体のアームヘッドが湖に映った。


「待ったかい?」
トマスが聞いた。

「危なかったな、俺は短気なモンでね」
ゴリモンのパイロットは言った。


「すぐ始めるのかい?」

「自己紹介からだ、俺はワノフ・ノレル。子供だからといって舐めるな…決意は固いぞ」
ゴリモンのパイロットは言った。
まだ子供だという自覚はあるようだ。


「僕はトマス、トマス・ボーリー。」


「俺は、理不尽に町で暴れ俺の工場を壊したお前を倒す。…勝った暁には、このゴリモンで兵器を壊しまくって戦争を終わらせるんだ」
ワノフは言った。


「そう簡単には行かないよ。小さな闘いならともかく、戦争を止めるのは一人なんかじゃ出来ない」
トマスは反論した。


「じゃあお前は俺に協力するか?兵器を作るお前が?町を壊したお前が?」

「そうは言ってない。確かに戦争は無い方がいいけど、無くすためにまた戦うのはどうかなって…」

「じゃあどう止める?戦争を、犠牲や破壊を、どう失くす?…答えられないだろ、もう俺のやり方に口出しするな!」
ワノフはそう言い、ゴリモンの腕を振り回させた。


「解らないかな、戦いは君が思うより厳しいんだぞ…」
自分もU.E.Tとの戦いで厳しさをつい最近知った身。

トマスはメリーィのタイヤを回転させた。


「なら俺も厳しく行く。お前に工場は直せないだろうから、代わりに今すぐお前を叩き潰す!」
ゴリモンは鉄柱を振り回す!

第15話: 小さな決闘_b0142778_0311363.jpg

メリーィはそれをホーンで受けた。

すぐさま襲い来るゴリモンの無数の打撃、
メリーィの鎌がそれらを弾く!

「さすが軍に居るだけのことはあるな…」
ワノフが言った。

「そっちのも町工場で出来たやつとは思えない…褒め合ってる暇はないよね?」
メリーィのビームキャノンは既にチャージし始めていた。

「暇はある、お前を倒した後だけどな!」
ゴリモンは次の打撃に出ようとした。


第15話: 小さな決闘_b0142778_039265.jpg

メリーィは打撃を受け止めつつ、ビームを発射!
ゴリモンは打撃と同時に、敵のビームの照準を狂わせる!

「どうした?やってみろよ、俺ん家の工場にしたみたいに!」
ワノフは吐き捨てた。

「それなら出来ないよ」
トマスは呟いた。

「なぜだ?手加減してるのか?じゃあ本気を出すまでとことんやってやる!」
ゴリモンは鉄柱を駆使し、あらゆる方向から打撃を加える。

メリーィは一旦後退しようとした。

第15話: 小さな決闘_b0142778_0464538.jpg

するとゴリモンは鉄柱をメリーィのタイヤに鋏み、動きを止めた。
「逃がしはしないぜ!」
「逃げられないのはお互い様!」
メリーィの腹部からビームが放たれる!が、ゴリモンはそれを巧みに避けた。
ゴリモンはメリーィの頭を殴り、一旦後ろに飛ぶ。

「ちっ!」
トマスは少し悔しがった。

「怒ったか?ちょっとは怒ったか?もっと怒れよ!俺みたいに!」
挑発的なワノフ。

「…怒ったからって勝てるわけじゃないし!」
トマスは鉄柱を斬り飛ばし、メリーィを加速させた。


第15話: 小さな決闘_b0142778_0524662.jpg

メリーィはウィリーして前輪で攻撃!
不意を突かれたゴリモンは倒され、地面に引きずられる。
さらに鎌でゴリモンに攻撃!

「くそっ!」

「油断してた?戦いは厳しいんだよ」
トマスは教えるように言った。

「まだだぜ!」
ゴリモンはメリーィの前輪を掴み、横に投げようとした。
メリーィは倒れなかったが、ゴリモンには逃げられてしまった。


何を思ったか、ワノフのゴリモンは跳ねながら別方向に逃走。

「どういうつもりか…?」
それを追うトマスのメリーィ。



追い続けると、いつのまにか景色はノースデデバルになっていた。

「何で僕をこの町に誘導するんだ…?この町を守るんじゃなかったのか?」
トマスは疑問に思った。


姿をくらましていたゴリモンは家の影から現れた。
第15話: 小さな決闘_b0142778_153475.jpg

「さあ暴れてみろ!」

「ワノフ、僕には君の考えてる事が解らない。どうしたいんだ?」

「お前を町を壊すいわば怪獣、それを皆の前で倒せばすぐさま俺は英雄さ」
ワノフは言った。

「君は自分の工場が壊されたから怒ってるんじゃなかったのかい?」

「ああそうさ、んでも工場が犠牲になっても俺が英雄になれれば全部済むのさ!」

「言ってる事がよく分からない、そろそろアームキルを…!」
トマスはもう終わらせようと思った。

「それはこっちのセリフだ!」
ゴリモンの6本腕がうごめきだす。

「…君は大事な工場のために戦っているのかと思ってたよ、まさかそんな事も考えてるなんてね!」
メリーィはゴリモンに突進した!


第15話: 小さな決闘_b0142778_114516.jpg

メリーィが有利になったかと思いきや、ゴリモンの6本腕は非常に厄介だった。
フックでメリーィを固定し、回転ノコギリで切断しようとする!

そんな中メリーィもアームキルのチャンスを窺う!
万一ホーンで倒せなくても、この至近距離でビームを当てれば…。

トマスはぎりぎり勝てる気がした。
しかしあることに気づく、ゴリモンの主腕は?

第15話: 小さな決闘_b0142778_120364.jpg

ゴリモンの主腕は鉄筋を掴んでいた!
それをメリーィに叩きつけ、力ずくで壊そうとする。
メリーィのビームはまたも外れた。

「何っ!?」
トマスは驚くしかなかった。この少年只者じゃない!?

メリーィはゴリモンを退けようとしたが、それが逆効果だった。


「くらえぇ!!」
ワノフは叫び、数本の鉄骨を素早く投げた!


第15話: 小さな決闘_b0142778_1245431.jpg

鉄骨が刺さり、割れるメリーィのカメラ!


「やってやったぜ!」
ワノフは喜ぼうとした。


「まだだ!」
メリーィは刺さった鉄骨を飛ばし、ゴリモンに急接近!



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メリーィはすぐさま、ゴリモンの体を無数に斬った!

「…XX、なんちゃって」

「やりやがったな…だがこのゴリモンはその程度では倒せないぜ!ウォーイ!」


2体の殴り合いはまだ続いた。互いのダメージが酷くなってくる。

「僕が君の工場を壊した事は、悪いと思うし反省してる…でもただ戦って君が英雄になる手伝いなんて僕はしないよ」

「反省してるって?じゃあ最初から壊すな!」

「あれは仕方が無かったんだ…!」

「じゃあこうなったのも仕方無いだろ!」


戦っている途中、トマスのレーダーが奇妙な反応を示した。

「ちょっと待って」

「おいどうした?」
中断に驚き、ワノフが聞いてきた。

「何かが来てる…!」
トマスは呟き、メリーィを町に入り口方面に向かせた。



”ゾムエイルだ!”
デデバリィの声。



第15話: 小さな決闘_b0142778_1434661.jpg

町の入り口には奇妙な赤い影がたたずんでいた。

「フハハ、ちっこいのが戦ってるぜフハハ」
赤いAH・ティプミーのパイロットは変な笑い方をして言った。

そいつは頭のビーム砲で地面をえぐる。




「アレはお前の仲間じゃないのか?似てるし」
ワノフがトマスに聞いた。

「…違う、この反応は連邦軍…U.E.Tか!」
トマスのメリーィはティプミーに向かい走り出した。

「待て!トマス!」
ワノフも追いかける。


ティプミーはリングカッターを回し始めた。
「フハハ、このルチネ・ウケコビッチ様に立ち向かうとは褒めてやろうハハ」

ティプミーのパイロット、ルチネは自分のスキンヘッドをぴしゃぴしゃ叩いた。


”来るぞ トマス!”
デデバリィの声とともに、ティプミーは動き出した。

第15話: 小さな決闘_b0142778_1524025.jpg

放たれる無数のカッターとミサイル、それはメリーィとゴリモンに向けられた。

”ゾムエイルめ…”

「デデバリィ!ゾムエイルって?」
トマスが聞いた。

”後で話す 今は危険だ”


第15話: 小さな決闘_b0142778_1554913.jpg

ミサイル群は2体に襲い掛かる!

「こいつはヤバイ!」
ゴリモンはミサイルをいくつか切り落としたが、やはり避けられなかった。

「これじゃダメだ…!」
メリーィもミサイルを斬りとばす、しかし全てとは行かない。


流れ弾は町並みに向かって…

トマスはメリーィをドリフトさせ、何とか体で流れ弾を受け止めた。
爆発するメリーィ。

「お前……」
ワノフは呟いた。

「当たり前だろう、自分の国の町を守るのは!…僕は町を壊したくなんかない」
トマスはそう言って見せたが、メリーィはもうボロボロでしょうがない。

「ちくしょっ!挑む相手を間違えてた!」
ワノフはそういい、ゴリモンでミサイル群を叩く。




しばらくしてミサイルは止まった。

「フハハ、もうこの辺でいいだろ、ハハ」
連邦のティプミーは去っていった。

”さらばだ デデバリィ”
その女性のような声は、トマスにも聞こえていた。

”ゾムエイル…”
デデバリィは呟いた。



第15話: 小さな決闘_b0142778_2943100.jpg

メリーィとゴリモンは動けなくなっていた。

「生きてるかい?ワノフ」
トマスが聞いた。

「ああ・・・」 ワノフは体を起こした。

「さっきの連邦みたいに、世界にはいろんな敵がいる。戦争はそう簡単に止められないんだ」
トマスは呟いた。

「…俺が生まれ育った工場…もう無くなっちまったが…お前も壊したくて壊したんじゃないんだな…?」
ワノフが聞いた。

「僕も出来れば、被害を一切無くしたい。…でも戦ってれば何かが犠牲になっちゃう」

「俺はゴリモン作って戦ってヒーローになろうとか考えてた、ただのバカだ…」

「戦争を失くそうと思うのは良いとおもうよ…この技術を戦い以外に使ってみるのは?」
トマスが言った。

「もうゴリモンは使えないし…」

「それなら…」





次の日、トマスは徒歩で研究所に帰ってきた。

「皆!トマスが帰ってきたわよ!」
「おお、無事だったか…」
「どうだった?」


「説得できましたよ、でも連邦の新型が出てきて大変で…僕は寝ます」
トマスは椅子に座った。

「おいトマス!メリーィはどうしたぁ?」
ブレジンが聞いた。


「寄付しました…ホーン以外ね」

「はぁ゙ん!?」



続く・・・

by kozenicle | 2009-01-16 02:28 | ストーリー:デデバリィ

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